やめた理由

「好きな書籍は何ですか」という話になると、『霊感の本』『神の言葉』『探求』の3冊を挙げていました。今もそうですが、[本当の事]というのが好きです。小さな頃から、絵本も、空を飛んだり、魔法が使えたりする内容が出てくると、途端に興味を失う。なので、『大草原の小さな家』や『ガラスのうさぎ』『アンネの日記』と言った本を好んでいました。

 

聖書研究も、科学との整合性や預言の信頼性、というアプローチが好きで、いわゆる信仰を育む要素になっていきました。中でも、ダニエルの預言の、世界強国の20世紀に至るまでの台頭を、西暦前6世紀に予告されていた、というのは当時小学生だった私の心にも充分訴えるもので、「聖書って凄い」、さらに、「この預言を解読できているエホバの証人って凄い」と感じました。

卒業後の進路を決める時、周りの学生が就職活動に忙しくしている中で、当時は『残りの者の年齢、人数から言って、ハルマゲドンまであと数年』という雰囲気で、出版物にも「今世紀のうちに」という文言がありました。『この世代』という聖書中での言葉を、彼らの寿命のカウントダウンで使っていて、80代後半なのだから、長くてもあと数年、と受け止めさせる教えでした。就職が頭によぎった時、「組織の教えを信じよう、もし外れたら、信者はきっと失望しやめていくんだろう。その時組織は謝罪して解散するのかな」と思い巡らしたのを、はっきり覚えています。その時は、同時に「必ずその世代のうちにハルマゲドンが来るんだ、この体制は終わるんだ」と確信していました。

 

今年は2021年です。この事実が全てを明らかにしています。

はい、私がこの組織に見切りをつけたのは、簡単に言うとコレです。『本当のこと』が好きで、預言がその通りになっていることに感銘を受けて、正しい預言の解釈ができる唯一の組織、と信頼していた私にとっては、コレ以上の理由はいりません。「もう信用できないな」

 

『重なる世代』という新たな解釈を持ち出してきましたが、こんな苦し紛れな幼稚な教え、本当に真に受けている人っているのでしょうか?小学生でも分かるレベルの適当な言い逃れです。まだやめていなかった時、研究熱心な方々に率直に聞いてみました。

「組織が言うことは、そうなんだ、と覚えればいいのよ」

考え深い方だと思っていた彼女の言葉に、唖然としがっかりもし、呆れもしました。

そして、だんだん私の方がダメな人、という雰囲気になっていきました。